１．主な頭痛の症状
（１）片頭痛・・・若い女性に多く、拍動性、片側性。
（２）筋収縮性頭痛・・・両側性で、鈍痛、圧迫感、締め付け感を示す。
２．注意を要するもの
（ア）発熱を伴うもの（感染症）
（イ）意識障害や言語障害を伴うもの（脳出血）
（ウ）激しい痛み、または進行性の痛み（クモ膜下出血 脳腫瘍）
（エ）嘔吐を伴う早朝の頭痛（脳圧亢進症）
３．東洋医学の考え方
｢頭は諸陽性の始めなり｣
（１）真頭痛・・・頭の中が激烈に痛み、短時間で死亡する。
（２）厥頭痛・・・
（ア）外邪によるもの・・・風寒によることが多い。風寒による
ものは悪寒、発熱を伴うことが多く、湿によるものは頭が重い。
（イ）痰飲によるもの・・・胸中の痰が、ときに昇りて痛みをおこす。
前額部が痛む。
（ウ）腎虚によるもの・・・腎が虚し、厥逆して痛む。
（エ）肝虚によるもの・・・肝が虚し、胆が実して痛む。
（オ）オ血によるもの
４．治療法
（１）あ・マ・指施術
施術目的・・・鎮痛と、頸肩背部の筋緊張を緩和する。
施術法・・・片頭痛に対しては頭部の持続圧迫と、頸肩背部から上肢
にかけての、誘導的施術を行う。
筋収縮性頭痛に対しては、頭頸部から肩背部にかけて積極的に施術
する。
（２）鍼灸治療
治療目的・・・あ・マ・指施術に同じ。
治療法・・・本治法は頭痛の原因により、肝、腎、脾。部位により、
前頭部は脾、側頭部は肝、後頭部は腎、頭全体、または頭の芯は肝腎。
標治法は、前頭部は陽明経、側頭部は少陽経、後頭部は太陽経。
基本穴・・・百会 天柱 風池 肩井